約 5,047,228 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1464.html
樹海の如く、業の深き竜(後編) 漆黒の球体とも言うべき独特のプラズマ弾は、ゴーレム・シルエットごと クララを呑み込み、フィールド唯一の陸地である孤島へと叩き付けたッ! 凄まじい爆風が巻き起こり、島が消し飛んでいく。だが、希望はあった。 ジャッジシステムは、クララの大ダメージでも敗北を宣言していないッ! 「はは、ははははっ!これなら、生きてたってボロボロだろっ!?」 「……そうでもないんだよ、まともに直撃していればダメだったけど」 「なっ!?……平然と生きてる、だと!?」 「そうかな、結構堪えたんだよ?」 『クル……♪』 黒煙の向こうにいたのは、大型の杖を構えて佇む生身のクララだった。 そう、彼女が使わなかった初期武装の大杖“センチュリオン”と、盾の “ティンクルスター”。これらは“魔術”を旨とするクララに合わせ、 “Valkyrja”同様の簡易魔術補助用デバイスとして設計したのだ。更に 魔剣コライセルを核として合体させる事で、その機能を更に先鋭化した 砲撃魔術特化の大型ブースターロッドとして運用させる事が出来るッ! 「まさかその杖で、あの“ワキシングムーン”を相殺したってのか!?」 「それがあのプラズマ球の名前だね……結構シビアだったけど、ね?」 「チッ、そんならもう一発くれてやらぁっ!!二度も耐えるなよ!」 「……そうは行かないもん……変形、“ティターン・シルエット”!」 『クルル……ッ!?』 「大丈夫、畏れないで……力と未来を、信じて!」 『クルゥ……クルゥーンッ!!』 「なっ!?そっちもまだ、変形するのかよ!!」 すかさず追撃を掛けようとするシレイに先んじ、クララは“龍”の姿に 戻っていたリンドルムを勇気づけて、最期の姿に変形させる。それは、 他の“姉妹”同様、クララを覆う最強最大の鎧である!仕込んでおいた 天使の翼を広げ、同時に複合防御機能を備えたマントを、全身に纏う! 更にそれまでクララが抱えていた杖と、新たに龍の尻尾から射出された 巨大な杖が合体、クララの“魔術”を支える新たな杖が形成されるッ! 「“キャノン・ウィザード”合体、“グングニル・ウィザード”機動」 「……ま、魔法使いってか。テメェ、何者だっ!!?」 「ただの神姫。マイスターを想う、三姉妹が一人の神姫だよ!」 「ナメんな!切り刻んでやる、“ワーニングムーン”でなッ!!」 あくまでも冷静であるクララに激怒したシレイは、その禍々しい両腕から 漆黒の光剣を発生させた。緩く湾曲したそれを構える姿は、確かに新月。 だが黒き月というそのヴィジュアルは、やはり“瑞獣王”の名に合わぬ。 「……なんでその二つだけ、技名が英語なのかな?」 「う!?……煩ぇ、まだ決めてないだけだ!悪いかッ!!」 「悪くはないんだけど……統一感がほしいんだよ?」 「だ、黙れ黙れぇぇっ!うぉおおおおっ!!」 そこを冷静に突っ込まれると、案の定シレイは怒り狂って襲いかかった。 だが……クララはこれをこそ狙っていたのだろう。慌てる事もなく、杖を 空に掲げる。日も落ちて闇の迫る空に光が灯るのは、その刹那だったッ! 「……“アカシック・スフィア”始動、“マギウス・コード”圧縮開始」 「なっ!?なんだよ、あの光のリングと……胸から出てる光はッ!?」 「突っ込んだのは失敗だったんだよ……さぁ、虚無に帰って!」 「……んなろォォォッ!!」 「躯に刻め、神儀“処刑の光祭(エクスターミナス・セレモニー)”!」 最初は、足下に産まれた環状魔法陣だけだった。だがクララの鎧……その 胸部が開くと、その内に仕込んだ球状の補助演算装置が光を発したのだ。 それは“儀式級”とまでクララがランク付けした、精緻なる大規模魔術を 高速発動させる時に用いる為の、パワー増幅装置と考えればいいだろう。 而してそれは滞りなく機能し、瞬時に十数桁に及ぶ莫大なデータを編纂。 杖の先端に光球として集束させたのだ。一見それは、貧相だったが……! 「“アクティブ・スティング”……フォイエル!」 「なっ!?光の珠が1、2……十に分裂して……うわあっ!?」 「……“サーキット・アンカー”射出、目標を拘束せよ」 「く、くそッ!光の糸……いや、鎖が絡んで……ぬぉおおっ!!」 その実、この“魔術”は巨大モジュール戦に特化した極致の一撃なのだ。 十に分裂して発射された光弾は、光の鎖を以て“瑞獣王”を縛り上げる。 その間隙を縫って、クララはシレイの頭上と直下……即ち海上に、巨大な 魔法陣を構築した。その全面から迸るのは、光と闇……そして鋼の色だ! 「……“ロータス・ブレイカー”及び“アサルト・シェル”、発射!」 「なっ!?うわぁぁあっ!!れ、レーザーと重てぇ弾丸が一杯ッ!?」 それはレーザーだけでなく、極小重力弾と風を纏ったベアリング弾の嵐。 恐るべき破壊の旋風が、砂時計の様な形を描き的確に撃ち込まれていく。 装甲の最も脆い場所、駆動部の最も致命的なポイントを狙い澄ましてな! 勘のいい諸兄なら分かるかもしれんが、この“魔術”はクララの集大成。 これまでクララが編み出し使い込んできた“通常魔術”の複合技なのだ! 「仕上げだよ……“ゼロ・アンブレラ”展開……3、2……1!」 「ぐ、うぁあああああっ!?ち、畜生やべぇ……脱出だッ!!」 「“レヴナント・ドラフト”起動、爆破ッ!」 「うぁッ!!?……く、くそぅっ!?」 「ちなみにこの魔術は、本来“オーディナリィ・ノヴァ”って名前だよ」 止めに、二基の魔法陣を挟んだ中間点……即ち“瑞獣王”付近で、巨大な 電磁パルスを伴う激しい爆風が巻き起こる。しかもクララは低温と真空を 用いたバリアで機体を覆い、爆発のパワーを全て目標に集中させたのだ! 辛くもシレイ自身はレインディアバスターで脱出する物の、“瑞獣王”は “太陽”並の光を伴う炎に呑まれ、灰燼に帰した。勝負は決したも同然! 「……あ、シレイさんが逃げるもん……ってリンドルム!?」 『クルゥッ!』 「う、うわ!?あの竜追い掛けてきやがッ……ぐあああっ!?」 だが、そこからのリンドルムの動きは誰も予想しない行動だった。逃げる シレイを見た彼女は、自らの意思でクララから分離して“龍”の姿となり 捕まえに行ったのだ!無論、尻尾のワイヤーでクララを牽引しつつだが。 クララから離れる事を嫌がり続けた甘えん坊の姿は、もうそこにはない! 「く、そ……潰れる、離しやがれこのイモリめッ!」 「もう、決着は付いたと思うんだよ?皆を哀しませないで」 「ち……この落とし前、必ず付けさせてやっからな……」 『対戦相手、ギブアップ!勝者、クララ!!』 竜に乗って、コライセルから産み出した光刃を喉元に突きつけるクララ。 観念したシレイは、自らギブアップを申告する。見事な戦い振りだった! 私は戻ってきた彼女を抱き上げ、早速簡易クレイドルにセットしてやる。 「マイスター……どうだったかな、ボクらの……リンドルムの戦い」 「見事だ。彼女の勇気を、自制心を巧く育てる事が出来た様だな?」 「その評価だけで満足なんだよ……少し、眠るね?おやすみだもん」 「嗚呼、じっくり休め。目覚めたら、四人で祝賀会と行こうか……」 ──────竜を育てる偉業は、巧くいったのかな……? 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2336.html
……奥様の朝は、早い。 「んー……、ぅ」 まだ薄暗く、静かな寝室の中、小さな影がゆっくりと起き上がる。 「ふぁ……ぁ」 その影……物語に出てくる妖精のように小さな少女は、眠気を振り払うかのように軽く伸びをすると、隣で未だに睡眠を貪っている男の顔に静かに近づいていく。 「……おはようございます。兄さま」 彼の額に、軽く触れるだけの口づけ。その時の少女は、とても幸せそうな顔をしていた。 「さて……っと」 スミレはほんわりとはにかんだ顔から、気を引き締めてキリリとした表情になると、傍らに置いてある円盤型半重力ソーサーに乗り、ふよふよとドアへ向かう。 「………」 だが、何故かドアの前でピタリと停止する。ふよふよと上下したり、うろうろとドアノブの周囲を飛んだりしている。 「ドアが……開けられないです」 ……午前5時。旦那はただドアを開けるだけの為に、妻に叩き起される羽目になった。 第一話 『奥様は神姫』 ~Aパート~ 「ごめんなさい兄さま、こんな事で起こしてしまって……」 勇人の協力(ドアを開けてもらうだけ)を得て、何とか目的地のキッチンまで移動した後、平謝りするスミレ。 「いやしょうがないさ。それよりもコレからはスミレが困らないように、何か手段を考えないとな」 「そうですね。毎回兄さまを起こしていては、申し訳ありませんから……」 更にしゅんとなるスミレ。 「それよりも、兄さまは寝室にお戻りください。起床の時間になったら、私が起こしに行きますから」 「でもキッチンに来たって事は、何かやることがあるんだろ? だったら俺も手伝って……」 「駄目です。兄さまにはこのあとお仕事がございます。ちゃんとお休みになられませんと」 「でもなぁ……」 「むー。キッチンは、女の戦場なんです!」 ピシャリと言い放つと、ソーサーで勇人の前を激しく飛び回って、あっという間にキッチンから追い立ててしまう。 「――さて……っと」 彼を追い出した後、気合を入れ直してから行動を開始するスミレ。 ソーサーに既に結び付けてあるフック付の紐を取り出して、まるで捕り物でもするかのように紐をヒュンヒュンと振り回す。 「――――狙いを付けてっ。てやっ!」 勢いよく投擲されたフック付の紐は見事に冷蔵庫の取っ手に命中し、くるくると巻きついて固定される。 「回転しなきゃいけないドアは無理だったけど、冷蔵庫なら問題……無しですよねっ」 そのままソーサーで思い切り引っ張り、冷蔵庫のドアをなんとか開かせる。 「ふぅ……この身体だと、ちょっとの事でも大変です」 紐を回収してから、冷蔵庫の中に突入するスミレ。 「流石に同時に作るのは無理だから、お弁当は冷凍食品メインになるけど……私の愛が篭ってるんだからいいんです」 誰に言ってるのか、1人ごちながら冷蔵庫の中身を確認し、使う食材をソーサーのカゴに放り込んでいく。 「朝はベーコンエッグを焼いて……ライ麦パンを焼いて……あとは」 ……彼女はまだ、気づかない。冷蔵庫のドアは全開にしておかないと、自重でドアが閉まっていく事に。 『バタン』 「……え?」 突然冷蔵庫の中の明かりが消え、真っ暗になる。 「もしかして……ドア閉まっちゃった?」 その通り。 「どうしよう……兄さまにまた助けを……。うぅん、何時も頼ってばっかりじゃ駄目。なんとか自力で脱出してみせるのよ!」 ……暫し沈黙。 「よしっ、強行突破ですっ!」 そう言うと、彼女はソーサーを最大速度で突進させる。 『ゴッチーン!』 「はわーっ!?」 スミレの目に火花が散り、激痛が走る。 「あたた……。こっちは壁でしたか……今度こそっ」 『ゴッチーン!』 再び盛大な音が、密閉された冷蔵庫の中に響き渡る。 「うぅ……こっちも壁。それじゃあ……もう一度っ!」 ……彼女が魔窟となった冷蔵庫から脱出できたのは、それから20分後だった。 「うぅ、無駄に時間を浪費してしまいました」 システムキッチンの上で、ぐったりとしているスミレ。 その淡く美しいすみれ色の髪や、扇情的だが凛とした雰囲気も併せ持つ藍色のボンテージ風の服には、割れた卵の黄身や白身がベットリとこびりつきいて、悲惨な事になってしまっている。 そしてその横には壮絶な死闘の結果、なんとか確保した食材。……更にその奥には、大量の元食材と化したものが積み上げられていた。冷蔵庫の中は……語るまでもない。 「あ! 早く兄さまの朝食とお弁当をお作りしないと……!」 勢いよく立ち上がるスミレ。……当然と言うか、全身ぬるぬるなので。 「ひゃわっ!?」 ツルツルの床と合わさって、見事に転倒する。 「あぅぅ……、こんな事で挫けていられません。全ては兄さまの為に、ですっ」 痛む腰を摩ってから、今度は慎重に立ち上がり、食材を移動し始める。 「最初はお弁当で……確かどれも自然解凍で大丈夫な食品の筈でしたから、お弁当箱に入れていって……と」 そう呟きながら、ファンシーなデザインのお弁当箱に、既に小分けになっている冷凍食品たちを詰め込んでいく。 ……小さな少女が重い食材を一生懸命運ぶ姿は、お弁当作りと言うよりも巨大な積み木遊びか、日曜大工といった肉体労働の光景に近い。 「ふぅ、これでよしっと。あとはご飯を詰め込んで……」 炊飯器の蓋を開け、大きめのスプーンを両手にかかえるようにして、ご飯を弁当箱に詰め込んでいく。 「よいしょ……っと。あとは桜でんぶを……」 敷き詰めたご飯の上に、桜でんぶをまぶしていく。勿論、新婚夫婦のお約束(?)たるハートマーク型だ。 「ちょっと歪んじゃったけど……OKっと。兄さま、喜んでくれるかしら。あとは……」 今度は海苔を細かく切って、でんぶの上へ器用に飾り付けていく。その文字は…… 「える、おー、ぶい、いー……完成っ」 そそくさと弁当の蓋を閉め、女の子らしい花柄のナフキンで包む。――愛情表現、此処に極まれり。 「……っと、次は朝ご飯の仕度ですね」 そう言うと彼女は、小ぶりな1人前サイズのフライパンを冷蔵庫の時と同様にソーサーで引っ張っていき、IHコンロにセットする。 「火加減は中で……。まずはベーコンを」 ベーコンをまるで布団を敷くみたいに、フライパンの上にどさっと広げる。 やがて、ジュージューと小気味よく油の弾ける音と、食欲を誘う香ばしい香りがキッチンに充満していく。 「よし、そろそろかな……卵を、よいしょ……っ」 身体を丸めたらスミレ自身がすっぽりと入ってしまいそうなほど大きな卵を抱え上げ、よたよたとふらつきながらもフライパンに接近する。 「てやっ」 フライパンのフチに卵を叩きつけ、ヒビを入れる。 「ここまではなんとか……。あとはちゃんとまぁるい目玉焼きにしなくては、妻としての名が廃ります!」 今にも中身が溢れ出しそうな卵を抑えながら、気合を入れるスミレ。 「いきますっ!」 一度限りの真剣勝負! 彼女は勢いよく卵を解き放ち、フライパンに投入する。 「でき……、ぁ、あっ!?」 重量物を抱えていた彼女。急に変化した重心に対応しきれず、前のめりに体勢を崩す。そして…… 「にゃわっ!? あつっ、ぬるっ!? にゃあぁぁっ!?」 ……トーストが焼きあがったのは、それから30分後だった。 ――結局、スミレの事が気になってしまい寝直せなかった勇人。 そもそも時々キッチンの方からスミレの悲鳴らしき声が聞こえてくるのだから、気にならない筈はない。だがスミレの自尊心を傷つけない為にも、あえて心を鬼にして様子を見に行かず、寝室でずっと待っていたのだ。 「――おはようございます。兄さま」 「おは…………お、おはよう。スミレ」 そんな彼の前に現れたスミレの姿に、思わず絶句する勇人。 朝からみるにはやや刺激の強い扇情的なポンテージルックには、謎の白い白濁とした液体やら黄色いドロリとした半固形の何かにまみれている。 更に酷いのは、綺麗なすみれ色の髪がアフロに爆発していて、何やら焦げくさい臭いまで漂ってきている。 「あ……この格好、ですか。気にしたら負けです兄さま」 明らかな誤魔化し笑いをするスミレ。鈍い勇人にも、キッチンで何か壮絶な出来事があった事くらいは容易に想像できる。 「……むしろ気にしない方が女の子として負けじゃないか、それ」 「ガーン」 全身でorzを体現するスミレ。 「そ、そんな事より朝食の準備が出来ていますから、食べてくださいね兄さま」 「……うーん」 「兄さま?」 「いらない」 「そ、そんな……私、兄さまの為に一生懸命……」 「スミレが綺麗になってくれるまで、朝食はとらない。それに昨日も言ったろ、ご飯は2人で食べるから美味しいんだって」 それまで無理をしていたスミレの表情が、花が咲くようにぱぁっと華やかなものになる。 「兄さま……大好きっ!」 「ちょっ、わっ、スミレっ!?」 勇人の顔におもいっきりダイブして押し倒すスミレ。溢れ出る愛情をキスに込めて、飽きることなく、何度も何度も繰り返す。 ……結局スミレが綺麗になったのは、それから30分後の事だった。 「「いただきます」」 2人の声が、綺麗に調和する。 「うん。美味い」 「うふふ、ありがとうございます」 もぐもぐと美味しそうに朝食をとる勇人と、自分もパンの欠片をかじりながら、その彼を嬉しそうな顔で見ているスミレ。 幸せな光景だったが、隼人がベーコンエッグに手を付けようとすると、スミレの表情がすっと曇る。 「ん、どうしたスミレ?」 「いえ、なんでもありません……何でもありませんよ?」 照れているのか、それとも困惑しているのか、彼女はなんとも形容しがたい表情をしている。 「ふむ……」 恐る恐る、ベーコンエッグを口に入れる。 「……うん、美味いよ」 「…………神姫っぽくないですか?」 「は?」 「いえ、神姫っぽい味がしないかなって……」 目が点になる勇人。一体何を言っているのだろうか、彼女は。 「あはは、何でもないです。忘れてください兄さま。 ……あ。ほら、こっちのトマトサラダは自信作なんですよ!」 「まぁ美味しいけど……スライスしてあるだけじゃ」 「あうぅ。そんな事言う兄さま、嫌いです」 頬をリスみたいに膨らませて、ぷーっとむくれるスミレ。 「ははは、悪かったよ。……どうしたら許してくれるのかな?」 スミレのぷにぷにの頬を、指先でつつく勇人。 「あうあう……。兄さまったらいたずらして。でもそうですね…… また、キスしてくれたら、許してあげちゃいます。ダメ、ですか?」 つぶらで愛らしい瞳が、勇人を愛しげに見つめている。勇人はそのお願いを断る術を持たなかった。いや、必要すらなかった。 「……スミレ」 「兄さま……」 そして、2人の想いが重なる。 一瞬とも、永遠とも想える、幸福な時間が過ぎていく。 「……あーっ! 兄さま時間っ。大変ですよ遅刻しちゃいます!!!」 そんな2人を現実に引き戻したのは、スミレの悲鳴にも似た叫びだった。 「あ、もう8時回ってるのか……」 思えば色々とトラブルの結果、ずるずると時間が押されてしまっていた。当然と言えば当然のこの展開。 「兄さま早く準備してくださいっ。今日は1限目から講師の予定があると仰っていましたし」 「あー……忘れてた」 「もうっ、しっかりしてください。そんな事じゃ生徒の人たちに笑われちゃいますよ」 「そうだな。気づいてくれてありがとうな、スミレ」 暖かい表情で、スミレの頭をくしゃっと撫でる勇人。 「あん……兄さまの為ですもの。気になさらないでください」 「――それじゃ、行ってくるよ。今日の晩御飯も期待してるからな、奥様」 「はい。――いってらっしゃいませ、旦那様」 そうして勇人は、今日も仕事と言う名の戦場へと旅立っていくのであった。 続く トップへ戻る
https://w.atwiki.jp/gameqwiki/pages/17.html
マインクラフトWiki 概要 ここでは、マインクラフトに関する情報を載せています。 規約については、こちらを参照ください。 編集・追加できるのは、当サイトメンバーのみです。 書き方については、こちらを参照してください。 クリエイティブ サバイバル コマンド MOD リソースパック スキン 設定 サーバー 配布ワールド
https://w.atwiki.jp/rockzerozxgggv2ch/pages/149.html
よみがな:ぶそうしんき 分類:玩具 説明文 KONAMIより2006年から発売されているメカ少女のアクションフィギュア。 ゼロスレシンクロニシティにより一部住人の間で人気。 高い組み換え拡張性を有しており、シリーズ内での組み換えや別商品の流用などに優れている。 また、現物のフィギュアだけでなくネットゲームにも対応しており、購入したフィギュアに付属している武装神姫アクセスコードにより、オンラインのジオラマスタジオとバトルロンドを無料で利用できる。 ジオラマスタジオとは、3D空間にポリゴンで描かれた神姫をカスタマイズし、好きなポーズでスクリーンショットを撮れる新時代のジオラマシステム。 バトルロンドは武装を設定し指示を出して相手神姫と戦わせる対戦ゲーム。 武装神姫は毎シリーズ(2キャラ)ごとにゲストデザイナーによりキャラクターがデザインされる。 そのゲストデザイナーとして我らが鉄乃巨刃氏を推す声も少なくない。 実際に鉄乃巨刃氏を望む声が玩具板「■コナミ_武装神姫_>>PART_29」の 1000を取ったこともある。 ちなみに神姫スレはそれなりに変態性が強い。 また、他スレでゼロスレネタを使う時は、そこの住人に迷惑をかけないよううまく溶け込むようにしよう。 要は、わりとお仲間。 公式サイト 武装神姫
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2236.html
ウサギのナミダ・番外編 少女と神姫と初恋と その4 ◆ 金曜日の放課後のことだ。 ノーザンクロスのバトルロンドコーナーで、美緒たち四人と安藤は対戦にいそしんでいる。 オルフェはまだ実戦というレベルでの対戦をしていない。 LAシスターズの神姫たちを相手に、いろいろと試している段階だ。 対戦用筐体を一台占拠しているが、常連たちは何も言わなかった。 LAシスターズはここでは顔が通っているし、話題の神姫・アルトレーネ・タイプの動きがじっくり見られるとあって、好きなようにさせていた。 そんな状況をありがたく思いながら、安藤とオルフェの戦い方について話している。 そのとき。 「よう、安藤。女にバトロン教わってるなんて、ずいぶん情けねーな」 「蜂須……」 筐体から顔を上げると、酷薄そうな笑みを浮かべた小男が、三人ほどの取り巻きを連れて立っていた。 その小男は蜂須英夫。ここ『ノーザンクロス』で『三強』の一人といわれる人物で、美緒たちと同じ高校の同級生でもある。 「お前に神姫のこと聞いても、教えてくれなかったじゃないか」 「……だいたい八重樫。オレの誘いを断っておきながら、なんでこんな男に付いてんだよ」 蜂須は安藤を無視して、美緒に視線を向けた。 美緒は身をすくめる。蜂須の視線はいつも、美緒の全身にからみつくように感じられた。 「そ、その話は……何度も断ったでしょう」 「何が不服だってんだよ。お前だって、バトロン強くなりてーんだろ。だったら、そんな初心者のお守りは他の連中に任せて、オレのチームに入れよ」 美緒は身を縮めて、蜂須の視線に耐える。 はっきり言って、美緒は蜂須が嫌いだった。 彼の、人を見下した態度が、どうしても好きになれない。 それに、あのとき。あの雑誌にティアの写真が載ったときだって、それをネタに大声でいやらしく笑っていた男なのだ。 好きになれるはずがない。 有紀が美緒の前に立ち、蜂須の視線を遮った。 「おい。美緒は断ったって言ってんだろ。しつこい男は嫌われるぞ」 「てめーとは話してねぇんだよ、このデカ女」 「んだと、このバカハチ!」 怒りを露わにした有紀を蜂須はせせら笑った。 「なんだよ、殴るのか? 殴るのかよ? バトロンじゃオレにかなわないからって、暴力に訴えるわけだ。 はははっ、まったくサイテーの女だよなあ!」 「くっ……」 有紀は拳を強く握り、震えを止めようとした。 蜂須の言うことは本当だ。 『玉虫色のエスパディア』とは、四人とも何度も対戦しているが、勝てた試しがなかった。 「強くなりてぇんなら、そんなオママゴトみたいな対戦してねぇで、オレのチーム『レインボー・ブレイカーズ』に来いよ。手取り足取り教えてやるからよぉ……」 蜂須は美緒をなめ回すように見ながら、舌なめずりした。 だが、 「うわ、厨臭いチーム名!」 の声に、視線を逸らさざるを得なくなる。 睨みつけたその先には、両手で口を押さえた梨々香がいた。 「江崎ぃ……バトルもまともにできねぇくせに、人のチームにケチ付けてるんじゃねーよ」 蜂須はここぞとばかりに、嫌みったらしい言葉を吐き出した。 「だいたい、見るに耐えねーんだよ。まともにバトルもできねー女どもが、キャッキャウフフとゲーセンでつるんでるのは。 ここはバトルで上にのし上がろうって野望がある連中のコロシアムなんだ。 いつまでもヌルいバトルしてたり、イロモノに走ったり、非武装派なんざお呼びじゃねーんだよ。 それとも何か。おまえら、武装神姫ネタにして、男漁りに来てんじゃねーのか?」 「てめっ……!」 さすがに頭にきた有紀だったが、涼子に腕を押さえられた。 暴力沙汰にするわけにもいかない。 有紀は憎悪すらこもった視線で、蜂須を睨みつけた。 「何怒ってんだよ。本当のことだろ。 お前たちのリーダーは、オレの誘いを断っておきながら、そんな初心者くわえ込んでやがるんだからよ」 「やめて……! もうやめてよ……」 美緒は悲痛な声で、蜂須の言葉を遮った。 これ以上は聞くに耐えない。 美緒は勇気を振り絞って、蜂須を見た。 視線が合う。 蜂須はニヤニヤといやらしく笑いながら、美緒に言う。 「やめてほしけりゃ、オレたちの仲間になれよ。そしたら、こんな連中、無視してやるからよ」 背後にいたチームメイトたちも低く笑い声を立てる。 その小さな笑い声さえもおぞましい。 美緒は思わず腕を抱いてうつむいた。 そのとき。 「おい、そのへんでやめとけよ」 そう言って、レインボー・ブレイカーズの笑いを止めたのは、安藤だった。 蜂須は眉を逆立てて、突っかかる。 「なんだよ、てめぇは関係ねーだろ」 「あるよ。彼女たちに俺の方からコーチを頼んだんだ。 俺を教えていて悪く言われるんなら、オレのせいだ。 それで彼女たちを侮辱されて、黙って聞いてられない」 「はっ……新型連れてるからって、調子こいてんじゃねーぞ、安藤。ここはゲームセンターだ。学校みたいにうまく行くと思ってたら、大間違いだぜ?」 「学校もゲーセンもあるもんか。女の子を侮辱して困らせたりして……それは人としてどうかって問題だろ?」 蜂須は安藤を睨みつけた。 その視線には殺意すらこもっているような気がする。 だが、安藤は一歩も引かず、その視線を受け止めた。 「だったら、バトロンで勝負だ」 「なに?」 「ここで言いたいことがあるなら、オレをバトルで負かしてみろよ。そしたら、お前の言うことに聞く耳もってやる」 「……俺が勝ったら、彼女たちにもうまとわりつかないって約束できるか?」 「ふん……賭けバトルってことか? いいだろ。そのかわり、オレが勝ったら、八重樫にはレインボー・ブレイカーズに入ってもらう」 その言葉に、安藤も思わず言葉を詰まらせた。 涼子が蜂須に言う。 「そんなの、無理に決まってるでしょう! 安藤のオルフェは、まだ起動して一週間なのよ!?」 「何言ってんだ、バーカ。先に言い出したのはそっちだろ」 「だからって、美緒の意志も聞かないで、そんなこと言い出すのはおかしいでしょう!」 さすがの涼子も大きな声を上げた。 しかし、蜂須は余裕の笑いを浮かべている。 「別に俺はバトルしなくたっていいんだぜ? そっちから言いだしたことなんだからな。 まあでも、念のため聞いてやるか。八重樫はどうだよ。この条件でオレと安藤のバトル受けるか?」 涼子はうつむいている美緒を見た。 彼女は蜂須の視線に耐えているようにも見える。 一瞬の間の後、美緒は絞り出すように言った。 「……いいわ」 「美緒!?」 涼子の声は悲鳴に近かった。 蜂須の後ろにいた誰かが、ヒュウ、と口笛を吹く。 「そのかわり、勝負は一週間後」 「なに?」 「まだちゃんとバトルもしたことのないオルフェに、あなたのクインビーが勝つなんて当たり前でしょう。……三強を名乗るなら、そのくらいの余裕を見せて」 「ふん……まあ、いいだろ」 クインビーは、蜂須の神姫であるエスパディア・タイプの名前である。 「それから、あなたが勝っても負けても、わたしたちと、わたしたちに関わる人たちを決して侮辱しないって約束して」 「いいとも……お前がチームに入れば、こいつらと関わる必要もないしな」 蜂須は鼻を鳴らして美緒を見る。 顔を上げた美緒は、今にも泣き出しそうな顔をして、蜂須を睨んでいる。 そう、この顔だ、と蜂須は思う。 嗜虐心をそそる美緒の顔が、蜂須はたまらなく気に入っていた。もっと泣かせてやりたい、悲鳴さえ上げさせたい。 その想いが、彼の嗜虐心をさらに煽る。 蜂須は、さらにいやらしく笑って、こう言った。 「八重樫に免じて、ハンデをやるよ。条件次第で、オレのクインビーをエスパディアのノーマル装備で戦わせてもいい」 「……条件?」 「八重樫が一日、オレに付き合うと約束できるならな」 蜂須が舌なめずりする。 これにはついに有紀が切れた。 「調子こいてんじゃねぇ! このエロチビ!! ずっと美緒にフられてきた憂さ晴らしのつもりかよ!」 「お呼びじゃねえんだよ、デカブツ。オレは八重樫と話してんだよ」 「ふざけんな! お前に付き合ったら、どんな目に遭うか分かったもんじゃ……」 激昂している有紀の腕に誰かがそっと触れた。 言葉を切り、その誰かを見る。 美緒だ。 彼女は泣きそうな顔をしながら、それでも言葉を絞り出した。 「……その条件を呑めば、ノーマル装備で対戦……絶対ね?」 「ああ。いいハンデだろ。どうよ?」 「……わかったわ」 「ちょ……美緒!!」 振り向きながら有紀は美緒をとがめる。 しかし、美緒の瞳には決意の色が宿っていた。 有紀はそれ以上何も言えず、腕の力を抜いた。 レインボー・ブレイカーズのメンバーのいやらしい笑いをバックに、 「ようし、決まりだ。一週間後、楽しみにしてるぜ、安藤。あーっはっはっは!」 蜂須はひときわ高く笑って、その場から立ち去った。 チームのメンバーもそれに続く。 LAシスターズは何も言えず、ただ彼らの背中を見送るばかりだった。 ◆ 蜂須英夫にしてみれば、安藤智哉は目の上のたんこぶだった。 蜂須は決して人気者ではない。むしろ学校では嫌われ者である。 それは彼の性格に因るところが大きい。 誰に対しても見下したような態度をとり、えらそうなのだ。特に成績がいいわけでも、スポーツができるわけでもないのに、である。 特に自分よりも立場の弱い者に対して態度が大きい。気の弱い男子生徒を顎でこき使っている。 女子に対しては、全員が自分の使用人と思っているのではないか。 背が低く、つり目で卑屈そうな顔立ちがいやらしい、と女子の間では噂され、評判はすこぶる悪い。 もちろん、そんな男が男子からも好かれるはずがなかった。 だが、ゲームセンターでは蜂須の天下だ。 ノーザンクロスでは三強の一角として君臨している。 『玉虫色のエスパディア』は、彼の神姫のファイトスタイルを揶揄した呼び名なのだが、蜂須は気にしていない。 蜂須は、実はとある中小企業の社長の息子で、小金持ちである。 その潤沢な資金を利用して、装備を買い込み、バトルロンドでふんだんに投入する。 何の装備で対戦するのか読めない、毎回サイドボードの中身が違う、だから対策も立てようがなく戦いにくい。 そして対戦相手を圧倒するバトルを展開する。 一定しない装備を『玉虫色』と揶揄しているのだった。 蜂須に言わせれば、そんなのは負け犬の遠吠えに過ぎない。 勝てないのは弱いからで、勝てる自分が強いのだ。 勝ちたければ、強い装備でも何でも持ってくればいい。 所詮、負けたヤツのいいわけに過ぎないのだ。 その点、負けても言い訳せず、自分と同程度の実力を持つ、三強の残り二人には一目置いている。 そんな調子であるから、ゲームセンターでも蜂須に好意を持つ者は多くない。 だが、装備に頼っているだけで三強の一角になれるほど、バトルロンドは甘くない。 ノーザンクロスの常連は誰しも、『玉虫色』の実力を認めている。 彼を認めたプレイヤーや、彼の装備の知識の深さに感心する者、気の合う友人たちが蜂須の仲間になっていた。 ゲームセンターは蜂須にとっての城と言っていい。 だがそこに、ヤツはやってきた。 学校でも人気者で通っている、蜂須が嫌いなあの男。 安藤智哉である。 安藤は学校の男子にも女子にも人気がある。 自分と何が違って、こうも人気の差があるのかさっぱり分からない。 だが、蜂須とて、自分とは接点のない男のことで愚痴を垂れるほど暇ではない。 蜂須にとって安藤を敵視せざるを得ない事態が起きたのだ。 理由の一つは、安藤が武装神姫を始めたこと。それも神姫がアルトレーネというのも気にくわない。 そしてもう一つの理由は、美緒が安藤を気にかけ、ゲーセンでそばにいるからだった。 蜂須は以前から、美緒に横恋慕していた。 ◆ 「美緒! なんであんなバカげた条件呑んだんだよ!」 「安藤も、なんであんなヤツに勝負ふっかけたりしたの。無茶もいいところよ」 ファミレスの六人席。 向かいに座る有紀と涼子に責め立てられて、美緒と安藤は並んで座ったまま、二人同時にしゅんとした。 「だってさ……あいつの言ってることがどうにも許せなくて……」 ぼそっと話した安藤を、涼子は激しく睨みつけた。 「今のあんたが、蜂須に勝てるわけないでしょうが!」 「……さっきから思ってたんだけど、蜂須ってそんなに強いのか?」 「あんたねえ……バトルロンドをなめるんじゃないわよ。 今の安藤と蜂須じゃ、合気道を習いに来て一週間の小学生と、道場で三番目に強い有段者くらい差があるわ。それで勝てると思う!?」 「……」 安藤はうつむいたまま押し黙った。 今度は有紀が口を開く。 「だいたい、美緒も美緒だ。なんであんなヤツの言うこと聞いてんだよ。あいつがアンタにずーっと横恋慕してることくらい、よくわかってんだろーが」 「……もう嫌だったの」 「なにが」 「嫌だったの。蜂須くんが、みんなのことを悪し様に言うのがもう耐えられなかったの! もうずっと……ティアや遠野さん、エトランゼさんたちのことを口汚く言ってるのが、聞くに耐えなかったの!」 「だからって、あんな条件呑むことねーだろが! アンディが負けて、あいつに一日付き合ったりしたら、何されるかわかんねーぞ!」 有紀は以前、蜂須とその取り巻きの会話を耳にしたことがある。 本人の前ではさすがに口にしないようだが、それでも大きな声で話していたから、嫌でも聞こえた。 つまり、蜂須は美緒の身体が目当てなのだ。あのグラビアアイドル顔負けの身体を弄び、あの美貌を羞恥に染め、泣き声を聞きたい。 そんなことを大声で言い放つ男なのだ。 最低の野郎だ。 有紀は心から美緒の心配をしていた。だからこそ、語気もつい荒くなってしまう。 「だって……ハンデがつくから……」 「はあ?」 「エスパディアのノーマル装備なら……安藤くんの……オルフェの勝率が少しは上がるでしょ……?」 うつむいた美緒から発せられた言葉に、有紀は深くため息を付いた。 美緒はLAシスターズきっての頭脳派プレイヤーだ。 だが、今回の判断はどうにもずれている。 美緒は感情に流されると、たまにこうした突拍子もない行動に出ることがあった。 それが今回でなくてもいいのに……と思っているのは有紀だけではないはずだった。 しばらくそこで話を続けたが、結局有効な案は浮かばなかった。 圧倒的実力差を覆す方法なんて、そうあるはずがない。 誰もが絶望的な思いで口を閉ざした、その時。 いままで黙っていた梨々香が口を開いた。 「それじゃあ……相談してみたら?」 「え? 誰に?」 「涼子ちゃんのお師匠さん」 そう言って、梨々香はストローに口を付ける。 彼女の澄まし顔を見つめながら、安藤は首を傾げた。 ◆ 「浅はかだな」 その一言で、彼女たちの相談は一刀両断に処せられた。 翌日土曜日の『ノーザンクロス』でのことだ。 遠野貴樹は、蓼科涼子にとって武装神姫の師匠である。遠野本人はそう思っていないようだが。 その遠野は、口をへの字に曲げ、いかにも機嫌が悪そうだった。 LAシスターズの四人は、その一言だけで恐縮しきってしまっている。 「浅はかって……」 かろうじて反論しようとした安藤の言葉を、遠野は遮った。 「そのとおりの意味だ。安藤くんと言ったか……君が玉虫色と賭けバトルををしようだなんて、無謀としか言いようがない。八重樫さんが不利な条件を受諾したのも間違っているし、蓼科さんたちがそれを止められなかったのも甘すぎる。 そもそも、バトルロンドにそういう賭を持ち込むこと自体、どうかしてる。自業自得、同情の余地もない」 遠野の言葉にはとりつく島もない。 だが、身を乗り出して助け船を出したのは、遠野の隣にいた二人だった。 「大丈夫! もしゲームに負けても、次にわたしが蹴散らしてやるわ!」 「聞き分けなかったら、俺に任せろ! ぶっ飛ばしてやるぜ!」 そう言って腕をまくってみせる菜々子と大城を、遠野は睨みつけた。 「君らがそんなことしてもその場しのぎにしかならない。意味ないだろ」 やはり一刀両断され、二人はしゅんと肩をすくめた。 今日の遠野は容赦がなかった。 それでも安藤は食い下がった。 「そ、それでも……ヤツに勝つ方法は……」 「ない」 「ないって……」 「バトルロンドを甘くみるな、安藤くん。 玉虫色だって伊達に三強を名乗っているわけじゃない。バトルロンド始めて二週間の初心者相手なら、一分とかからないだろう。 いいか。バトルロンドはただの対戦ゲームじゃない。 神姫の性能はもとより、その神姫の特性、性格を把握し、適正な装備と戦略を与える。相手の神姫の性能と戦略を試合の早い段階で解析し、自分の神姫でどう対応するか判断し、作戦を立て、指示を出す。 神姫の性能だけでも、マスターの戦略だけでも勝つことはできない。 すべての要素が噛み合って、はじめて勝利を手にすることができる」 意外にも熱っぽく語りはじめた遠野を、安藤は驚きながらも見つめていた。 目が真剣だった。 「それを可能にするのは、神姫とマスターの信頼だ。 君のオルフェは、起動してまだ一週間。すべての要素で玉虫色に劣る。それでどうやってヤツに勝つ? 無理だ」 「でも、マスターは間違ってません! 八重樫さんを、シスターズのみなさんを侮辱されて、何も言わないマスターなら、わたしはきっと軽蔑しています。 大切な者を守ろうとしたマスターを、わたしは尊敬しています! マスターへの信頼は、『玉虫色のエスパディア』に負けません!」 口を挟んだのはオルフェだった。 しかし、遠野は表情を変えずにオルフェを睨む。 「それで勝算があるならいい。だが、勝算もないのに、こんな条件で賭け試合に乗るなんて、愚かな蛮勇にすぎない」 「だったら、どうすればいいって言うんですか!?」 「謝ればいい」 遠野の一言に、その場にいた全員が顔を上げた。 「こんな試合は無謀でした、今回の試合はなしにしてください、と言って、謝ればいい。向こうも何か条件を付けてくるかも知れないが、そこは交渉次第だ。少なくとも、負けたときよりも状況が悪化することはない」 「た、戦う前から白旗揚げろって言うんですか……!?」 「それ以外に何がある。それができないのは、君たちのなけなしのプライドが邪魔をしているだけだ」 安藤は唇を噛んで、うつむいた。 遠野の言うことはもっともだった。 勝算がない限り、戦わないか、戦って負けるか、いずれかの選択でしかない。 しかし、感情が納得できない。 蜂須にあそこまで言われて、引き下がることはできなかった、あのときは。 安藤だけではなく、LAシスターズの四人もうつむいて、やはり悔しそうな顔をしていた。 ティアはみんなを見渡したあと、胸ポケットから自分のマスターの顔を見た。 相変わらずへの字口で、むっつりと押し黙っている。 しばしの沈黙。 ティアはマスターに何か言うべきだろうか、と考え、口を開こうとしたそのときだった。 「よお、安藤。みんなで来週末の作戦会議か?」 こんな普通の言葉でも、嫌みったらしく聞こえてしまうのは、本人の日頃の行いのせいか。 「蜂須……」 「結局、勝ち目がないことに気づいて、陸戦トリオに相談かよ。 は、みっともねえなぁ。 せいぜい、ない知恵絞って相談してろよ」 安藤も美緒たちも、反論できずにいる。 そして、蜂須は瞳に好色そうな色を浮かべ、 「八重樫、ちゃんと身体を磨いておけよ」 あーっはっは、と高笑いを残して去っていった。 これには菜々子も大城も色めき立った。 「なっ……あんなの、セクハラじゃない!!」 「みんなの前であんなこと言うなんて……サイテーな野郎だ!」 美緒は両腕を抱き、うつむいていて、表情は見えない。 だが、ティアは見た。 彼女の肩が小さく震えているのを。 と、そのとき。 ティアの背後の気配が変わった。 彼女の主の顔を見上げる。 いつもと変わらない、仏頂面。 だが、この雰囲気の激変は、いつもそばにいるティアだからこそ感じ取れたのかも知れない。 ティアのマスターは怒っていた。さっき、安藤をしかっていたときの比ではない。彼女にはそう感じられた。 遠野は壁から背を離すと、みんなに向かって言った。 「場所を変えるぞ。ファミレスに集合だ」 「え? な、なんで……?」 「気が変わった。……ヤツに勝つ方法、聞きたくないか」 安藤は目を白黒させて立ち尽くす。 大城はにやりと笑い、安藤の背中をたたく。 菜々子は苦笑を浮かべながら、シスターズに一緒に来るよう促した。 ティアは安藤の肩に乗っているオルフェを見る。 彼女もマスター同様、目を白黒させていた。 目が合う。 オルフェは困ったように小首を傾げた。 ティアは小さく微笑んで、頷いて見せた。 そう、きっと大丈夫。 ティアのマスターはこういう時、とても頼りになるのだから。 続く> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1339.html
回の01 「二人目で始めて(?)の神姫」 「少しだけメタな事を言うと、一人称ならのマスタのターンなワケなのですよぉ♪」 などとのっけからワケの判らないティキの言葉でゴメンナサイ。お久しぶりの藤原雪那(ふじわら・せつな)です。 さて、意味不明なことを言っているティキはともかく、今目の前にある問題はこの黒いアーンヴァルだったりする。 それにしても昨日のティキのうろたえぶりは凄かった。 ……深夜まで部屋の隅っこで震えてるんだもん。 まぁ、判らないでもないんだけど。 で、件のそのアーンヴァル。送り主は親父の名前になっているんだけど、実際はジイ様が送りつけた事が判明。 とはいっても親父がこのアーンヴァルを購入した事はまったくの事実で、ティキの起動一周年に合わせてジイ様が我が家に送ったそうだ。 ……親父の事故のタイミングを考えたら、親父はこのアーンヴァルを見る前に居なくなったんだよなぁ。 チョットだけテンションダウン。 「ところでマスタ、この娘の名前は決まったのですかぁ?」 ニコニコしながら、ティキは僕の顔を仰ぎ見る。 かれこれ一時間ぐらい、悩んでいたからなぁ…… 例えばゲームでも、主人公にデフォルトで名前が無くて自分で考えなければならない場合、僕はいつもこれくらいの時間をかけて名前を考えている。 常にそんなに時間をかけているって言うのに、更に女の子の名前なんてそう簡単に思いつけない。 「うー……まだ決まんない」 「そうなのですかぁ…… うん、でもでもこれから長く付き合う事になる名前なのですから、じっくり考えた方がいいのかもですよぉ♪」 「そう言ってくれるとありがたい……」 なんだか申し訳ない気持ちになって僕はティキに頭を下げた。 申し訳ない。 そんな気持ちは確かにあった。 昨日、気持ちが落ち着いたティキは僕にこんな事を言ってきた。 「マスタ。この娘を起こしてあげないのですかぁ?」 僕がアーンヴァルをそのまま箱に戻した事を言っているらしい。 「いや、だって、ティキは怖いんだろ?」 「でもでも、このまま起こされないなんて、かわいそうなのですよぉ?」 まだ恐怖心も完全に治まっては居ないだろうに、この娘はそんな事を言う。 「うーん、確かにかわいそうだと思うけど、ね。 ……でもさ、ティキはそれでいいの?」 「?」 ティキは可愛らしく首を傾げる。 「あー…… なんて言うか、さ。ティキは僕がティキ以外の神姫のオーナーになるのに、抵抗は無いのかなぁ、て思ってさ」 うん、チョット照れる。 多分少しだけ赤くなっているだろう僕の顔を見ながら、ティキは少しだけ驚いたような顔を見せ……そしてとろける様な笑みを浮かべた。 「ティキは大丈夫なのですよぉ♪ ティキはマスタが大好きで、マスタがティキを大切に思ってくれてるって、それが判ったから大丈夫なのですぅ☆」 僕の顔が耳まで赤くなった事を自覚した。 その僕の顔を見てなのかどうなのか、ティキは幸せそうに笑った。 「って、まるでまともな恋愛も出来ない所までイッちゃったみたいじゃないかー!!」 違いますよ? 僕とティキはどちらかと言えば兄妹みたいなものですよ? そういうアレな関係じゃないんですよ? ……あんな夢を見た事はありますが。 「……言えば言うほどドツボにはまっていく感じが~」 「いきなりどうしたんですかぁ、マスタァ?」 「いや? ナンデモナイヨ?」 「???」 反省。 不思議そうに僕を見るティキの頭をなで、僕は気を取り直し再びそこいらに散らばる本に目を通す。 いつも名前を決める時、僕は同じように色々と辞書やら漫画やら小説やらを見て名前を考える。そうすると考えている間は今の様に部屋中に本が散乱する事となる。 どうでも良い事なんだけど。 そうしているうちに、その言葉が僕の目に入った。 ……うん! 良い感じ。 「決まった。早速この娘を起こそう!」 「ドキドキなのですよぉ♪」 さて、いざ起動させようと思ったとたん、僕はいきなり緊張した。 だって、僕自身は初めて神姫を起動させるんだよ? 難しくないとみんなは言ってたけど、ヤッパリ初めての事は緊張する。 「あのさ、一応説明書とか見ながらやるけど、ティキもフォローしてね」 「もちろんなのですよぉ☆」 ティキのフォローは的確で、僕は拍子抜けするほどスムーズに準備を進める。 そして―― その黒いアーンヴァルは その眼を開けた。 トップ / 前回 / 次回
https://w.atwiki.jp/bulldragon/pages/40.html
Wiki練習ページ(3項目) Wikiについて 練習ページ(Wiki) 練習ページ(ワープロ)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/348.html
戦うことを忘れた武装神姫・各種設定-1 ~久遠とその仲間たち~ 登場人物 久遠家 知り合いな人々-1 知り合いな人々-2 久遠家 久遠(ひさとお) 薄給気味の斜壊人、実年齢の1.5倍にいつも見られる20代後半。 愛車はショップ特製・絶滅しかけの2ストローク125ccスクーターと、 父から譲り受けたS社の(登場時は最新型だった)400ccモタード。 ヨツワは仕事でも使うので、ワンボックス商用軽カー。 エルガ(Erga)(猫爪) 好き:昼寝、魚肉ソーセージ 嫌い:犬(リアル犬) 属性:うにゃー シンメイ(Synmei)(吼凛) 好き:機械いじり、りんご 嫌い:怖い話(夜眠れなくなる) 属性:ツンデレ イオ(Io)(アーンヴァル) 好き:お散歩、チョコレート 嫌い:雨(濡れること) 属性:まったり リゼ(Lize)(ストラーフ) 好き:月、プリン 嫌い:月のない夜(闇への恐怖) 属性:姉御気取 ミツバ(Mitsuba・御翼)(エウクランテ) 好き:鉄道、唐揚 嫌い:孤独(ひとりぼっち) 属性:妹(イオ直系) 知り合いな人々-1 かえで(川崎かえで) T市にある、川崎製麺の令嬢。一見中学生に見られる、ちっこい高校生。 ティナのオーナー。 学業成績優秀な、アウトドア派。 生真面目な熱血系の兄がいる(次期社長)。 ティナ(Tina)(猫爪) 好き:かえで、昼寝 嫌い:刺激の無い生活 属性:秘書(かえでのPDA状態) フィーナ(Phina)(ストラーフ) 好き:甘物、コスプレ 嫌い:星の見えない夜(闇への恐怖) 属性:リーダー(メイド長) 川崎 啓衛(かわさき ひろえ) かえでの父で、川崎製麺の3代目社長。引きこもりがちなかえでに、ティナを 買い与えた経緯がある。 製麺技術に関しては自他共に認める天才。 実は、元・映画監督と言う肩書きも持っている。 知り合いな人々-2 八御津(やみつ) ブリッツのマスター。 事務機器販売の会社員。 ひょんなことから久遠に出会い、大きな転機を迎える。 公式リーグでも相当のランクにあがりつつある、有力者。 ブリッツ(Blitz)(ヴァッフェバニー) 好き:マスターが塗ってくれた空色の装備 嫌い:腑抜けたモノ 属性:負けず嫌い <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/hokado/pages/1.html
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 バグ・不具合を見つけたら? お手数ですが、こちらからご連絡宜しくお願いいたします。 ⇒http //atwiki.jp/guide/contact.html 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wikiへお問い合わせ 等をご活用ください
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/364.html
期間限定特別ミッション「神姫プラネットを開拓せよ!」 期間 2010年4月22日(木)14 00~2010年5月10日(月)10 00まで お詫び/3周年イベントミッション無期延期のお知らせ 10.04.28 バトルロンド3周年感謝祭「神姫プラネットを開拓せよ!」の実施により、 サーバーアクセスに時間がかかる不具合が発生しておりますため、本イベントは無期延期とさせていただきます。 公式HPの告知 キャンペーン内容 イベント概要 敵情報 公式HPの告知 http //www.shinki-net.konami.jp/event/anniversary03/ キャンペーン内容 バトルロンド3周年感謝祭 新人オーナー応援キャンペーン・試用チケット8枚プレゼント! 武装パーツ「バースデーキャンドル(三叉戟)」をプレゼント! スタッフ神姫を探せ! 期間限定特別ミッション「神姫プラネットを開拓せよ!」 上へ戻る イベント概要 参加可能な最低Lvは5 神姫プラネットで行われるバトルは、全てオーナー側1~3 vs NPC側1 のチームミッション。 各ポイントごとに設定されたenemyを0にすることで、次のポイントが開放される。時々ポイント上に黒いお邪魔キャラ(AG)が出現する。 お邪魔キャラのenemy残機が0になるまで、お邪魔キャラが駐在するポイントのenemyを減らすことはできない。公式サイトを見る限り、お邪魔キャラ≠ボスキャラクターと思われる。 チームミッション用アイテムも使用可能。 通常のチームミッション同様、数/コストが許す限り、同じアイテムを積んでも良い。 数/コストは敵に応じて一定。Lv180 3/3 , Lv200 2/2 , Lv300 1/1 , AG 使用不可 敵は1体だけなので「メンテナンスキット」「リペアキット」は無意味。 自分の神姫は1体しか参加できず、残り2体は他オーナーの神姫から選択してチームを組む。1体は必ず自分の神姫を参加させなくてはいけない。自神姫さえ選択すれば仲間を選択しなくても良い。 仲間は神姫プラネットに参加したことがあり、クレイドルで充電されていない神姫からランダムに4体選ばれる。 他オーナーの神姫でも武装セットの選択、戦略指示の変更は可能。 仲間の武装セットに対する戦略指示は、元の持ち主のものがデフォルトで設定されている。 バトルが終了すると、戦績に応じて「PP(パワーアップポイント)」が獲得できる。自分の神姫が仲間として選ばれた場合も獲得できる。 獲得したPPは、神姫センターの「強化武装開発」で使用する。 戦績 PP 1人で勝利 敵Lvにより固定Lv180 40, Lv200 80, Lv300 160お邪魔キャラ(ウロボロス)は200で固定 仲間の敗北後に勝利 減らしたLPに比例して山分け 敗北後に仲間が勝利 引き分けで相打ち勝利 出撃しないまま仲間だけで勝利 0 全員敗北 減らしたLPに比例して山分け 仲間に選ばれる 4 +自分の戦績分のPP 上へ戻る 敵情報 ポイント名ステージ ターゲット MLP/MSP ステータス POINT01プレーン Lv180 TARGET01(黒ウェルクストラ) 3558/1188 攻25命25回25防25 POINT02プレーン Lv180 TARGET02(白ヴァローナ) 3564/624 攻48命30回41防6 POINT03ダークネス Lv200 TARGET06(st.アーク) 3630/666 攻55命40回31防20 POINT16ボルケーノ Lv300 TARGET21(夜飛鳥) 3684/1926 攻48命37回83防22 POINT17ボルケーノ Lv300 TARGET19(砂ムルメルティア) 5972/852 攻68命60回24防48 POINT18ボルケーノ Lv300 TARGET20(黒サイフォス) 4390/1568 攻23命60回73防24 POINT23アクア Lv200 TARGET26(ヴァッフェドルフィン) 5430/902 攻34命38回18防12 POINT24プレーン Lv180 TARGET04(マオチャオ) 3238/640 攻54命30回25防16 POINT25プレーン Lv180 TRAGET05(ハウリン) 4350/550 攻48命31回20防23 ポイント名 ターゲット MLP/MSP ステータス 神姫プラネットの住人(POINT26)お邪魔キャラMAP上からランダムに出現・移動消滅後2時間で復活? Lv180 AG/ウロボロス(青) 4054/802 攻30命30回30防30 上へ戻る